第4エイドを出発してしまうと後戻りできません。自己責任が原則のこのレース。後は自力でゴールにたどり着くのみ! ただ、残り47.2㎞を歩くしかない身にとってはここから先が長くて辛くて辛くて辛い道のりになりました。
エイドを出たら、その先1㎞で目の前の灯台方向にはいかず、右に曲がってトンネル2か所を通って進みます。
この後は枕状溶岩の海岸線を楽しみながら、田野浦の集落を抜けきつい上り坂を上って素浜海岸に進みます。素浜海岸の10㎞ほどは自販機がないので、田野浦の自販機で飲み物を購入しておくことと、素浜海岸の終わりにある自販機からまたしばらく自販機がないので要注意です。このあたり、やはり走れなくなったランナーと一緒になり話をしながら歩いたので、すごく気がまぎれました。素浜海岸の終わりのトイレで別れましたが。
海岸線のはるか先には佐渡島の海岸線が見えています。あの向こうがゴール!
コースは海岸線を歩き、上って、下って海岸線に出るの繰り返しできつい。足はパンパンに張ってきて、どんどんスピードが落ちていきます。歩いていてだんだんキロ12分(時速5キロ)が難しくなってきました。まあそれでもなんとか175.6㎞地点で国道350号線に合流。あと“たったの”32.4㎞!
30㎞を切ったころからカウントダウンを始めました。頭の中で、1㎞進んではあと29㎞、また1㎞進んでは後28㎞と。このころには再び日が暮れてきたのでライトを装着しました。
この国道350号沿いはしっかりした歩道もなく、車の往来が激しく、さらに上ったり下ったりで、きついうえに危険でした。
疲労もだんだん大きくなってきて、途中で風がよけられるバス停などを見つけては、たびたび食事休憩を含めた休憩が増えてきました。また長丁場なので、途中で店を見つけて菓子パンを買ったりもしました。
歩く速度もさらに低下しキロ15分(時速4キロ)に。どんだけ必死に頑張っても時速4キロ、自分の遅さに本当に笑っちゃいました。
真野の海沿いに出るころには本当にしんどくなっていました。後14㎞とは言え、歩く速度はキロ15分以下(時速4キロ以下)。まだ4時間かかる計算です。そろそろ1㎞進んだかなとGarminを見ても100mしか進んでいない。そろそろ1㎞かなと再び見ても200mなんてことをずーっと繰り返していました。
それでも亀の歩みを繰り返して前に進むと198.7㎞地点で左折。後は初日に送迎バスで走った1本道です。ただその道の上り下りが多いのが泣けてきますけど。
ここから先も大変でした。動かない足を無理やり前に出し続けて100mずつ進む。途中2時間足らず横になっただけですから意識もだいぶ朦朧としてきました。缶コーヒーも劇クールの目薬もあまり役に立ただず。途中で休憩して立ち上がって、わけがわからずもと来た道を歩き出した時もありました。100mくらいで気が付き事なきを得ましたが(^^;
幸い、残り3㎞くらいで後ろからランナーが追いついてきました。関西から来られたこのレースには複数回参加しているベテランランナーが私の状態を見かねたのか並走してくらました。すでに通常の歩くスピードより遅い私に並走してくれたのは本当にありがたかったです。お名前をお伺いしたのですが、すでに40時間以上のレースで綿菓子状態の脳みそからお名前が抜け落ちてしまいました。とにかくありがとうございました。
その天の助けと一緒に残り3㎞をあの角を曲がったらゴールのはず、とかいいながら歩き続けてとうとう、本当にとうとうゴールが見えてきました。
私は感動する以前に、ほっとしていました。もう体を動かさなくて済む。風呂入って寝れるって。
やっとのことでホテル夫婦の階段を引きずりあがって、記念写真を撮ってもらってゴール! Garminを止め忘れたので正確な時間はわかりませんが42時間40分くらいでした。
第4エイド159.8㎞地点からの48.2㎞になんと13時間21分かかりました。
まずは支給されたビールで乾杯して、用意されたハヤシライスとぐだくさんスープを食べて、風呂に入り、部屋に入って本当に泥のように眠りました。
この時は、翌日以後自分がどれだけボロボロになっているか想像がつきませんでした。
ゴール:208㎞
予定: 23時35分着 実際: 00時40分着(キロ14分16秒)
レースタイム: 42時間40分
つづく